教育相談と生徒指導

教育相談について語られる時に、中学校学習指導要領解説(特別活動編)中の記載がよく引き合いに出されます。

「教育相談は、一人一人の生徒の教育上の問題について、本人又はその親などに、その望ましい在り方を助言することである。その方法としては、1対1の相談活動に限定することなく、すべての教師が生徒に接するあらゆる機会をとらえ、あらゆる教育活動の実践の中に生かし、教育相談的な配慮をすることが大切である。」

また、文部科学省の「生徒指導提要」には、

教育相談
「主に個に焦点を当て、面接や演習を通して個の内面の変容を図ろうとする」
(中略)
生徒指導
「主に集団に焦点を当て、行事や特別活動などにおいて、集団としての成果や変容を目指し、結果としてこの変容に至る」

とあります。
教育相談が得意な先生(以降、教育相談型の先生)、生徒指導が得意な先生(以降、生徒指導型の先生)、どちらのタイプの先生も今の中学校には必要です。

一般的に教育相談型の先生の特徴として、
・一人一人の生徒の話を聞くことが得意
・象徴的な気質・・・優しい
また、生徒指導型の先生の特徴として、
・全体の前で話すことが得意
・象徴的な気質・・・強い
どちらがいい、どちらが悪い、の話ではありません。
このような2つのタイプの先生が尊重しあって、一人残らず全員の生徒を指導することができます。
単なる役割の違いです。
結果として、指導できる生徒の数は違うかもしれません。
しかし、生徒指導で全体に強く話す役割をする先生も必要だし、一人一人の声を聞く役割の先生が必要なのです。

教育相談型の先生に対しては、
「もっと厳しく指導したらいい。そんなやり方では、生徒は言うことを聞かない。」
ではなく、
「全体指導を厳しくした後で、教育相談型の先生がフォローしてくれる。不登校気味の生徒が助けられている。」
と思考するのです。

生徒指導型の先生に対しては、
「あんなに強い言い方ばかりしたら、強く言わないということを聞かなくなる。不登校気味の生徒が怯えてしまう。」
ではなく、
「いつも生徒指導型の先生が、指導してくれているおかげで、学校が落ち着いている。元気のない生徒が安心して学校に来られる。」
と思考するのです。
これが、本来の中学校の姿です。
このような役割分担のできる学校や学年の生徒は幸せだと言えるでしょう。

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