中学校学習指導案の書き方・考え方/様式ダウンロード

「中学校学習指導案の基本的な書き方を知りたい」
「どの項目が必須で、どの項目は必須ではないのか分からない」
「ネットで調べたけど、みんな様式や書き方が違う。どれが正しいの?」
「中学校学習指導案のテンプレートがほしい」
「中学校学習指導案の書き方のコツは?」
「中学校学習指導案の書き方を後輩教師に指導したい」
「中学校学習指導案でよく使う言葉を知りたい」
「中学校学習指導案、指導用冊子がほしい」
「中学校学習指導案の、教材観、生徒観、指導観の書き方、誰に聞いてもはっきりしない」
そんな声をよく聞きますし、私も初任者の頃は試行錯誤したものです。
ご承知のこととは思いますが、中学校学習指導案には決まった書き方や様式等はありません。
あるのは「最大公約数的な項目」です。
今回は、上記の要望を解決できるよう、中学校学習指導案の書き方や考え方についてまとめました。
中学校の底力の9割は、授業で決まります。
その授業を磨く1つの方法として、学習指導案があります。
この記事にある書き方等の内容は、2014年、年末の春野の見解です。
今後、内容を訂正する可能性も大いにありますので、お知りおきください。
中学校、学習指導案、例、書き方、コツ、国語、数学、理科、社会、英語、美術、技術、家庭、体育、保健、テンプレート、様式、基本、方法
(※画像クリックでPDFファイルが表示されます)
<目次>
A 基本項目と書き方例
B 中学校学習指導案テンプレートダウンロード
C 指導用冊子「学習指導案の書き方の基本」ダウンロード


中学校教師、教育、ブログ、仕事術
A 基本項目と書き方例
1.日時
日時  平成○○年(○○○○年)○○月○○日(○)
○時間目(○○時○○分~○○時○○分)


2.場所
場所  ○○市立○○中学校 ○○室


3.学年・組・人数
学年・組・人数  ○年○組 ○○名


4.単元
単元  「○(単元名)」―『○(小単元名)』


5.教材観(題材観)
<教材観の考え方>
教科書の該当単元全体を読み、この単元(大単元)での目的(この教材を学習した後にどのような力を身につけているのがのぞましいかなど)を記述します。
さらに詳細に説明する形で、授業する単元(小単元)の目的を記述します。
学習指導案作成初心者が、最初に苦戦する部分です。
学習指導案、採択教科書の指導書の指導計画(ネット等で閲覧可能)を読み込み、参考にするとよいでしょう。
<その他の記述する内容>
・教材の特徴
・日常生活との関連
・授業者が特にこの教材にこだわっている理由(特徴的なもの)

この項目には、取り扱う教材と生徒との距離は記述しません。

教材そのものがもつ一般的な価値を中心に記述します。


6.生徒観
本単元について、どのような学習(学び)をしてきたか(学習の程度)を、小学校段階から記述します。
「○年○組の生徒は元気よく仲の良い学級である。しかしながら、授業になると積極的に発言する生徒は少なく・・・」という表現は通常の教科の指導案では使いません。
ただし、
・学習指導案自体が「学級活動指導案」や「道徳指導案」である場合
・「挙手」「発言」「仲間づくり」「アサーション」などが「研究主題」や「単元の内容」に深く関わる場合
などは、記述することもあります。
基本的な書き方は、
「本単元について、小学校では、第4学年で「○○」、第5学年で、「○○」について学習している。また中学校では、第1学年で、○○について「○○」ことを学習している。しかしながら、・・・・(本単元の課題へとつなげる)」

となります。
また、単元の導入時でのアンケート結果を用いて、本項目の内容に厚みをもたせる場合もあります。
例えば、単元に関する知識を活用し、日常生活の疑問に答える小テスト、単元の興味・関心の程度を測るアンケートなどです。
このようなアンケートを事前にとっておけば、次のような書き方も可能となります。
「本単元について、本校の生徒は、「○○」アンケートおよび小テストを実施した。その結果は次の通りである。・・・。その結果、○○に課題があることが分かった」
結果を円グラフや棒グラフで見える化しておき、課題を見つけ、記述します。

7.指導観

「6.生徒観」で明らかにした課題に対して、「5.教材観(題材観)」で示した教材的特徴をどのように活かして授業にしていくか、どのように生徒に迫れるか、ということを記述します。

基本的な書き方は、次のようになります。

「生徒の実態から、という課題があることがわかった。これは、○○の○○が原因となっている。したがって、本教材の○○という特性を十分に活かすことができれば、課題解決につながるはずである。

以上のことより、本教材を指導するにあたっては、次の点を十分配慮して指導を行っていく。

・(箇条書きにして続ける)」

<「教材観」や「生徒観」、「指導観」の留意点>

「教材観」や「生徒観」、「指導観」は、学習指導案をチェックする先生の「赤」が入りやすくなります。
教科に関係なく、「文章がおかしければ指摘できる」という点で、指導しやすいからです(この部分しか見られない先生が多い)。
作成者は、自分のお気に入りの言葉をコピーしてつなぎ合わせた文章になってしまっていることが多く、主語・述語・目的語などの文章構造が歪になっている場合が多く見受けられます。
それを解消するには、「文章力を上げること」「チェック能力を上げること」の2つの方法があります。
「文章力を上げる」には、「文章力を向上させるための本」を読むのが早道です。
この項目でよく使う言葉として、
・深めさせる
・習得させる
・興味関心を高める
・十分配慮して
・日常生活や社会との関連
・~に触れ、認識を深める、捉えさせる
・○○に関する基礎的基本的な知識や○○を習得させ
・体験的な活動
・見方や考え方
・養う
などがあります。
学習指導要領や「国立教育政策研究所」の「評価規準の作成、評価方法等の工夫改善のための参考資料」に記載されているような文章体裁、言葉に近づけるのがよいでしょう。


8.単元の目標
学習指導要領にある目的を記述します。
研究指定校などで特別な場合は、その指示に従ってください。


9.単元の評価規準
学習指導案の根幹となる部分の1つです。
次のような評価規準を表にして示すのも1つの方法です。
「国立教育政策研究所」の「評価規準の作成、評価方法等の工夫改善のための参考資料」を参考に理科の場合を記述します。
イメージ
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理科の参考例をPDFファイルで表示
自然事象への関心・意欲・態度
気象観測や天気の変化に関する事物・現象に関心をもち、○○○・・・・。
科学的な思考
気象観測や天気の変化に関する事物・現象の中に問題を見いだし、○○○・・・・。
観察・実験の技能・表現
気象観測や天気の変化に関する事物・現象について観察・実験を行い、○○○・・・・。
自然事象についての知識・理解
気象観測や天気の変化に関する事物・現象について理解し、○○○・・・・。


10.単元の指導計画及び評価規準
研究授業、公開授業の規模により、指導計画の示すべき部分が変わってきます。
各市町村や中学校の実態に応じて適宜追加削除してください。
(1)指導計画
第1章 ○○○○(○時間)
第2章 ○○○○(○時間)
第3章 ○○○○(○時間:本時○/○)
第4章 ○○○○(○時間)

(2)評価規準(理科の場合の参考例)<評価規準(理科の場合の参考例)をPDFファイルで表示
イメージ
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※学習指導案によっては、評価規準に加えて、「判断基準」を記述しているものもあります。
B基準「おおむね満足できる」、A基準「十分満足できる」とし、B基準を達成できなかった生徒への支援を合わせて書いている場合が多いようです。これについては、本記事では触れていませんので、挑戦したい方はさらに調べてくださればと思います。


11.本時の学習
(1)目標(本時の評価規準)
○○○○○○○○○○、○○○○○○○○を積極的に調べようとする。
〔自然事象への関心・意欲・態度〕
○○○○○○○○○○、○○○○○○○○を関連づけてとらえることができる。
〔科学的な思考〕

<目標(本時の評価規準)の留意点>
目標(本時の評価規準)の個数は多くても2つ程度が妥当でしょう。
例えば、この本時の評価規準が5つもある場合を考えます。
学級の人数を38名なら、38名×5つ=190となり、50分で190の評価をすることになります。
5つの評価基準のうち、2つが「ワークシート」であり授業後にするとしても、残りの38×3=114を授業内に判定しなければならなくなります。
私はそのようなことができないので、多くて「2つ」としています。
興味のある方は是非勉強してください。
よくある議論ですよね。

(2)準備物
ワークシート、○○、・・・・。(別紙で添付する)

(3)事前の指導(なくてもよい)
本授業と深くかかわる内容を前時等で授業しているのであれば、略案や簡単な流れを入れてもよい。

(4)本時の展開「本時の展開」基本形をPDFファイルで表示
学習指導案の根幹となる部分であり、見やすさ・分かりやすさが求められる部分です。

また、書くことに慣れてくれば、「図」「矢印」「写真」「吹き出し」「チャート図」などを使用したよりダイナミックな「本時を展開」を作成できるようになります(それが良いのか悪いのかは別です)。
一般的な「本時の展開」部の学習指導案を示します。
他人が見て、「やっていることや目的が一目で分かる指導案」を作成することが目標です。
他人が見てどう感じるかを意識します。
できれば学習指導案をチェックできる先生に指導してもらうのがよいでしょう。
また、多くの学習指導案を見て、「自分がよい」と思うものをベースに練り上げるのも1つの方法です。
イメージ
中学校、学習指導案、例、書き方、コツ、国語、数学、理科、社会、英語、美術、技術、家庭、体育、保健、テンプレート、様式、基本、方法

<「本時の展開」で使いたい言葉、留意点><「本時の展開」で使いたい言葉、留意点をPDFファイルで表示
イメージ
中学校、学習指導案、例、書き方、コツ、国語、数学、理科、社会、英語、美術、技術、家庭、体育、保健、テンプレート、様式、基本、方法
活動形態
・一斉指導
・ペア活動
・グループ(班別)活動
・個別指導 ・多くの活動形態があると、生徒は活発になる。

学習活動 <  >の部分
※教科に応じて記述する(実験しよう、実習しよう、など)
※この項目は簡潔に書く
※動作の主体は「生徒」
※教科書の項目名に合せる場合もある

書き方例:
・~しよう
・~を調べよう
・~について考えよう
・~を予想しよう。
・~だろうか。

指導の内容
※指導上の留意点と書く場合もある。
※動作の主体は「授業者」
※「する」のか「させる」のかを間違わない。
書き方例:
・~し、活動を見通せるようにする。
・~を学級全体に説明する。
・~のような話し合いになるように助言する。
・~聞くように指導する。
・~の理解度を確認させる。
・~について、予想させる。
・~を理解させる。
・~を板書させる。
・~を伝える。
・~を提示する。
・発問「・・・・」
・発表させる。
・~を説明し合せる。
・~するよう、発言を促す。
・~のまとめをさせる。
・~を記入させる。
・~の手順を間違わないように、繰り返し練習させる。
・~を選択させる。
・~と~の違いを強調する。
・~を読み取らせる。
・机間巡視の際、~について注意喚起する。
・~と発問する。
・~と言う。
・~を気づかせる。

生徒の活動
※動作の主体は「生徒」。
※<  >の部分を細分化(具体化)した生徒の活動を書く。
※生徒の活動を軸に書いていく。
例えば、
□「記入させる」

■「記入する」
とする。

書き方例:
・~を班員に説明する。
・教科書を読む。
・~について予想する。
・~を板書する。
・~を聞き~する。
・~を発表する。
・~を説明し合う。
・~をまとめる。
・~を記入する。
・~を確認する。
・~の感想を書く。
・~を読み取る。
・~を選択する。
・~を音読する。
・~を練習する。

予想される生徒の反応
書き方例:
・「うわ~、~だ。」
・「~ということなのだろうか」
・「~について確認できた」
・「どうすれば、~するのだろう」
・「~すれば、いいんじゃないか」
・「~は、~なようだ」
・「~は、~だと思う」

評価の観点
先述の「国立教育政策研究所」の「評価規準の作成、評価方法等の工夫改善のための参考資料」より抜粋して記述する。

評価の方法
・行動観察
・ワークシート
・○○カード
・ペーパーテスト
・レポート
・パフォーマンステスト
・発言
など。


12.配布資料
・授業プリント
・使用する部分の教科書のコピー
・板書計画
など


13.教室環境
・座席表(ペア時、班活動時など)
・ICTの配置図
・特記すべき部分の写真
など


<参考>
中学校を上げての研究テーマがある場合は、2つの項目(研究主題、主題設定の理由)を記述します。
本記事だけでは不十分なので、研究指定校となった中学校の研究報告書を4、5校程度入手し、書き方を学ぶとよいでしょう。
研究指定を受けた場合の基本的な流れは、
<1学期>
実態調査→課題の把握(課題の設定)→手立てを考案→年間計画、詳細案→各教科の授業へ反映→事後調査(課題に対し効果があったのか)→手立ての再構築、再案(方向性の確認)、調整
<2学期>
調整後の計画をもとに、各教科の授業へ反映→事後調査(課題に対し効果があったのか)→手立ての再構築、再案(方向性の確認)、調整
<2学期 or 3学期>
研究発表
となります。
自分はどの位置にいて、どの部分を担わなければならないのか、教師として社会人としての資質も問われます。
(参考)
研究主題
・研究テーマを書く。
・所属する市町村あるいは中学校で研究テーマになっていることを掘り下げた研究主題にする。
主題設定の理由
・専門教科についてどのようなアプローチができるのか。
・研究主題を設定している場合は、研究主題に対して教材がどのような効果をもたらすのかを記載する。
・書き出しは、「○○を活用した授業で、生徒の学習効果が向上することは立証されてきた。とりわけ、○○○○○○・・・。」など。
・この研究主題を設定したことに意味があると思わせなくてはいけません。「なるほど、そういう視点があったのか・・・」


<留意点>
上記の項目の何に重きを置くかは、授業をする目的によります。
例えば、学校をあげての公開授業、研究テーマが「評価」であるなら、「評価」についての記述は当然増えます。
「班活動」「話し合い」などがテーマなら、それを別途項目立てて記述する場合もあります。
学習指導案作成に、力を入れるのか入れないのか?
たっぷり時間をかけるのか、最小限の時間ですませたいのか?
(これについてはテスト作成用ですが、「テスト問題の誤植をチェックする方法」を部分的に参考になさってください)
力を入れないからと言って、基本も押さえていない、雑な学習指導案を書いてはいけないのです。
その学習指導案を読む方に失礼ですよね。
くれぐれも各中学校の実態に合わせてください。


B 中学校学習指導案テンプレートダウンロード
<通常版>
(1)中学校学習指導案テンプレートをPDFファイルで表示

(2)中学校学習指導案テンプレートをワードファイルでダウンロード

<本時の展開簡易版>
(3)中学校学習指導案テンプレートをPDFファイルで表示

(4)中学校学習指導案テンプレートをワードファイルでダウンロード


C 指導用冊子「学習指導案の書き方の基本」ダウンロード
(1)指導用冊子「学習指導案の書き方の基本 ver1.0」をPDFファイルで表示
(2)指導用冊子「学習指導案の書き方の基本 ver1.0」ワードファイルダウンロード

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