旬な人物やネタを中学校で道徳授業にする方法~錦織圭選手を例に~

道徳の指導案や資料はとても充実しています。
現場の先生方の実践、文部科学省の資料、民間教育団体の資料などなど・・・。
どれを使ったらよいのか分からないくらい多くあります。
その一方で今回記事にしている「旬な人物」「旬なネタ」については、道徳の授業案、実践資料がほしい時にありません。
そうなのです。
「旬な人物」を「著作物」や「教材」等にするまでには、時間がかかるのです。
そして書籍等になったその時には、残念ながら「旬」でなくなっているのです。
今回は、その「旬な人物の道徳の授業」をどうしてもすぐに作成して授業をしたい場合、参考にしてください。
プロテニスプレーヤーの「錦織圭選手」を例にとり、簡単な教材を作成します。
(※なお、データは本記事を公開した時点のものですので、必要に応じて最新のデータにしてください。)

<目次>
1.授業にしたいと思う旬な人物(ネタ)の資料を収集する
2.授業にしたい部分(一番感動したことや一番伝えたいこと等)を選ぶ
3.授業にしたい部分が、学習指導要領上のどの内容項目になるのかを確認する
4.授業の最後の発問「今日の授業の感想を書きなさい」で書いてほしい感想文をまず教師自身が書く
5-1.授業案作成(1)「これは、誰でしょう」
5-2.授業案作成(2)「○○について、知っていることを書きましょう」
5-3.授業案作成(3)その他知っておいてほしいことを説明する
5-4.授業案作成(4)メイン発問:その1
5-5.授業案作成(5)メイン発問:その2
5-6.授業案作成(6)「今日の授業の感想を書きましょう」
6.授業用パワーポイントファイルダウンロード
「感謝の心をもつ」から「感謝の心を表現する」へ
~プロテニスプレーヤー錦織圭選手を通して~

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1.授業にしたいと思う旬な人物(ネタ)の資料を収集する

資料の入手先として、「新聞」「本」「インターネット」「TV」などがあります。
<TV放送、試合直後の表彰式のインタビューより抜粋>

(センターコートに大拍手で迎えられる。インタビューアの英語の質問に流暢な英語で答える。)
「彼が良いプレーをしたので、自分の思うようなプレーをできませんでした」
「彼の優勝を喜んでいます」
「負けたのはつらいけど、決勝に出られてよかったです」
「サポートしてくれた人たちに感謝します」
「今日は負けて申し訳ない。次は勝ちます」
「たくさん応援していただき、楽しい2週間でした」
「大会を支えてくださり、ありがとうございました」
「来年も戻ってきます」

<プロテニスプレーヤー錦織圭公式サイトhttp://www.keinishikori.com/より抜粋>

プロフィール
錦織 圭(にしこり けい)
生年月日:1989年12月29日
出身地:島根県松江市
身長 :178cm
体重:70kg
5歳:テニスを始める。
12歳:2001年5月、全国選抜ジュニア選手権で優勝。
14歳:2003年フロリダのIMGアカデミーにテニス留学(米国)。以降、フロリダを活動拠点とする。
18歳:2007年10月プロ転向。
20歳:2009年、右ひじの疲労骨折で4月からツアーを欠場。苦しいリハビリを経て、翌2010年2月にツアー復帰。
24歳:2014年、メンフィスの大会を連覇、マイアミのマスターズでベスト4、バルセロナのATP500で優勝、マドリッドのマスターズで準優勝と立て続けに好成績
5月12日付けの世界ラインキングでは自己最高の9位を記録
全米オープン、アジア人としては初となるグランドスラム準優勝
2014/09/08 ATP(男子プロテニス協会=Association of Tennis Professionals)ランキング8位
(※2014年の年齢は、9/14時点の年齢です。以降も同様です。)

公式ブログ
(略)
決勝ではそれが少しできなかったかもしれません。
初めての決勝の舞台で緊張していたのと、体力的に使い果たしていたので試合に100%集中できていませんでした。
チリッチのプレーが完璧だったのも逆転できなかった理由ですが、それよりも自分のせいですね。
悔しいです。
決勝という大舞台で自分の力が発揮できなかったのが一番悔しいです。
決勝の前の日は気持ちが高ぶりすぎて胸が苦しくなったり、緊張するっていうのも予測してたので
なるべく頭でイメージしたりしてました。
でも足りなかったですね。
昔から夢見ていたグランドスラムの決勝で平常心で戦うのは難しかった。
でもこの2週間フルで戦えたことは絶対に経験値になると信じています。
(略)
たくさんの応援ありがとうございました!
最高に誇らしい気分でした。
このまま意欲をもっともって頑張ります!
(略)

2.授業にしたい部分(一番感動したことや一番伝えたいこと等)を選ぶ

(「1.」と「2.」が逆になる場合もあります。)
「努力」という切り口など、多くの切り口があると思いますが、ここでは、
試合直後にも関わらず、
・勝利した相手を称え、
・周囲への感謝を忘れず、
・楽しくできたこと、悔しいことを冷静に表現し、
・次の目標に向かっていること
です。
ポイントは、「試合直後にも関わらず」、「周囲への感謝も忘れず」です。
「翌日」のブログやインタビューでは、「周囲への感謝」を言う選手は多くいます。
しかし、本当に心からそう思っているかどうかは、「一番つらい状況」に置かれたときに分かるものです。
錦織圭選手は、そのような状況である試合直後にそれを語りました。
本当にそのように感じているからこその発言なのです。

中学生が、部活動の最後の試合(最後の演奏、舞台)、あるいは入試等が終わった瞬間、泣き崩れる時があります。
しかし、泣き崩れた直後、あるいはその最中に、「勝利した相手を称える」「周囲への感謝を忘れない」「次の目標に向かえる」ことも必要なのです。
そしてそれらを、「しっかり表現できること」も大切なのです。

3.授業にしたい部分が、学習指導要領上のどの内容項目になるのかを確認する

文部科学省ホームページ 新学習指導要領・生きる力 第3章 道徳 より抜粋

2 主として他の人とのかかわりに関すること。
(6) 多くの人々の善意や支えにより,日々の生活や現在の自分があることに感謝し,それにこたえる。

を中心に構成していきます。

4.授業の最後の発問「今日の授業の感想を書きなさい」で書いてほしい感想をまず教師自身が書く

・錦織圭選手は、「世界2位ですごい。努力は大事」と単にそう思っているだけでした。今日の授業を聞いて、錦織選手がすごいのはそれだけではないことが分かりました。自分が試合に負けた直後なら、悔しくて自分のことだけしか考えられなかったと思います。「悔しい」って言っているだけだと思います。また、感謝の気持ちがあっても、その場でうまく言うことなんて考えてもいませんでした。しかし、直後にそう言えるからこそ、本物なのだと思いました。これからいろいろなことがあるけれど、「感謝の気持ちをもつ」だけではなく、「感謝の気持ちをその場で表現できる」ことも忘れないようにしたいと思います。

以降、パワーポイント教材を作成しながら、説明します。
イメージしかありませんが、実際のパワーポイントのスライドには、アニメーションもあります。
T:先生
S:予想される生徒の反応

5-1.授業案作成(1)「これは、誰でしょう」

<スライド1>
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T:「ある人物の説明です。誰のことでしょうか。途中で分かった人も黙っておきます」
T:順番にヒントを示していく。
Sは、途中で「錦織圭」と言ってしまうかもしれませんが、軽く視線で合図だけをして、ヒントを進める。
ヒントをすべて終了後、
T:「もう分かりましたよね。全員でいいます。さんはい」
S:「錦織圭です」
T:その通りです。

5-2.授業案作成(2)「○○について、知っていることを書きましょう」

知っていることを共有化する。
T:「錦織圭選手について、知っていることを書きましょう」
T:列指名等。
Tは、なるほどと言いながら聞いていく。
メインの発問ではないので、時間をとりすぎない。

5-3.授業案作成(3)その他知っておいてほしいことを説明する

<スライド2>
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T:「生年月日:1989年12月29日
出身地:島根県松江市
身長 :178cm
体重:70kg
5歳:テニスを始める。
12歳:2001年5月、全国選抜ジュニア選手権で優勝。
14歳:2003年フロリダのIMGアカデミーにテニス留学(米国)。以降、フロリダを活動拠点とする。
18歳:2007年10月プロ転向。
20歳:2009年、右ひじの疲労骨折で4月からツアーを欠場。苦しいリハビリを経て、翌2010年2月にツアー復帰。
24歳:2014年、メンフィスの大会を連覇、マイアミのマスターズでベスト4、バルセロナのATP500で優勝、マドリッドのマスターズで準優勝と立て続けに好成績。
全米オープン、アジア人としては初となるグランドスラム準優勝。
2014/09/08
ATP(男子プロテニス協会=Association of Tennis Professionals)ランキング8位」
です。

5-4.授業案作成(4)メイン発問 その1

<スライド3>
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知識をさらに深化させる。
T:「決勝の試合で負けた直後、大勢の観衆の前でのインタビューで、錦織選手は次のように答えています。」
T:「スクリーンで隠している部分を予想して書きます。できる部分だけで構いません。時間は3分です」
T:「番号と答えを言っていきます。」(列指名)
S:「(3)で感謝しています」など。
T:発表後、隠している部分を外していく。
T:「彼が良いプレーをしたので、自分の思うようなプレーをできませんでした」
「彼の優勝を喜んでいます」
「負けたのはつらいけど、決勝に出られてよかったです」
「サポートしてくれた人たちに感謝します」
「今日は負けて申し訳ない。次は勝ちます」
「たくさん応援していただき、楽しい2週間でした」
「大会を支えてくださり、ありがとうございました」
「来年も戻ってきます」

5-5.授業案作成(5)メイン発問 その2

<スライド4>
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T:「試合直後にも関わらず、
勝利した相手を称え、
周囲への感謝も忘れず、
楽しくできたこと」や「悔しいこと」を冷静に考え、
次の目標に向かっている。」
のです。
そして、そのような思いをきちんと言うことにより、
「周りに表現している」
のです。
皆さんは、
「自分でもそのようにできますか」
それとも
自分はそのようにできませんか」
T:「できると思う人」(と言って挙手を促す)
T:「いや、できない」(と言って挙手を促す)
<スライド5>
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T:「皆さんも経験がありませんか?
言うべき時に言えなかった感謝の言葉
例えば、ご家族の方、友人、周りの人に対してです。
どんな小さなことでも構いません。思い出して書きましょう。」
(列指名など)
S:「小学校の卒業式の時に、家に帰って、「ありがとう」と言えなかったのを今でも覚えている」
など。

5-6.授業案作成(6)「今日の授業の感想を書きましょう」

<スライド6>
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T:「何かが行事が終わった時に、
「悔しい」って言っているだけでなく、
「感謝の気持ちをもつ」だけではなく、
「感謝の気持ちをその場で表現できる」
ことが大事だと私は錦織選手を見て思いました。
今日の授業の感想を書きましょう。

6.授業用パワーポイントファイルダウンロード
「感謝の心をもつ」から「感謝の心を表現する」へ
~プロテニスプレーヤー錦織圭選手を通して~

上記の手順で作成した教材です。
各中学校の実態や各先生方の道徳教材へのこだわりを加味して、適宜変更した上でご使用ください。
クリックすれば、ダウンロード可能です。

授業用パワーポイントファイルダウンロード
「感謝の心をもつ」から「感謝の心を表現する」へ
~プロテニスプレーヤー錦織圭選手を通して~

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