中学生の家庭学習ついて真剣に考えた時、学年教師がやるべきこと(2)

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<目次>
1.学年全体を巻き込むとは
2.シンプルでスッキリしていないと、計画は続かない
3.4月7日(月)までにすること(入学式までにすること)
4.4月7日(月)~11日(金)(1週目の指導)

1.学年全体を巻き込むとは
以前の記事で次のような内容を書きました。

・「正しい勉強方法を知ること」とそれを「習慣化すること」には大きな差があること。
・正しい方法が身に付くまで指導するのはとても難しいこと。

注意点があります。
相手は、思春期真っ直中の中学生です。
一筋縄ではいきません。

また、一部の生徒を対象とした記事ではありません。
すなわち、
気になる生徒だけの勉強時間を増やすことが目的ではない
クラブの生徒だけの勉強時間を増やすことが目的ではない
担任しているクラスの生徒だけの勉強時間を増やすことが目的ではない
ここで目指している姿は、一人残らず全員の生徒の勉強時間を増やすことです。
学年全体を巻き込んでやることですから、相当な覚悟も必要です。

2.シンプルでスッキリしていないと、計画は続かない
シンプルでスッキリしていないと、続きません。
複雑な家庭学習システムでは駄目なのです。
私は、次の内容を自分で毎日書く「テスト直前勉強計画表」を以前に見たことがあります。
・予定勉強時刻(○○:○○~○○:○○)
・予定勉強内容(教科、テキスト、ページ)
・予定勉強時間(○○分)
・実際の勉強時刻(○○:○○~○○:○○)
・実際の勉強内容(教科、テキスト、ページ)
・実際の勉強時間(○○分)
・自己評価(できた~できなかったの5段階)
・TV、食事、就寝時刻
週末には、
・1週間の勉強時間合計
・1週間の自己評価の合計
これをやりきらせるには、相当な教師の力がないと無理だなと感じました。
これは、

「できる生徒がますますできる、できない生徒はますますできなくなる」

勉強計画表です。
「1年間、勉強計画を指導してきたから今回はバージョンアップ」というなら話は分かります。
力のある生徒でも難しいのではないでしょか。

中年の春野も無理です。

この計画表を正確に書くだけで1日5分程度かかります。
また、内容や時間を思い出して記入することもできない生徒も出てくるでしょう。
書いたとしても、提出のための記入にすぎないでしょう。

後でまとめて書く、的な生徒もたくさん出るでしょう。
できる生徒しか、書くことができません。
これをチェックする教師も大変です。
実態が伴っていません。

計画自体は、シンプルでスッキリなものでないといけないのです。
そうでないと「家庭学習の習慣」がついていない中学生ができません。
教師が長期間、指導し続けることができません。

学力の低い生徒でも書ける勉強計画表とは、

・15秒程度でさっと書けること

これが条件です。
教師側の条件は、

・一人5秒以内でチェックできること

となります。

3.4月7日(月)までにすること(入学式までにすること)
平成26年4月7日(月)に入学式を迎える新入生をモデルに考えます。
・関係する教師への根回し→学年での提案→職員会議での提案
<提案内容例>———————————
平成26年4月2日(水)
家庭学習の習慣を付けるための第1学年の指導について
<提案理由>
全国学力学習状況調査において、「家庭学習」の重要性が指摘されている。また、学校教育アンケートからも、本校の保護者より、「家でほとんど勉強しないので困っている」という声が上がっている。本学年においても、学年の指導の柱として「家庭学習を習慣づけること」を取り入れたい。
<指導目標>
すべての生徒が家庭学習の習慣を身に付ける。
<指導の流れ及び内容(教育課程上の指導時間)>
・4月7日(月)~11日(金)
勉強法、勉強時間についての説明、実態調査、保護者への説明(保護者説明会、学年だより)
・4月14日(月)~18日(金)
朝のSHRで1分調査(別紙)
宿題を2回以上忘れた生徒は、金曜日に学年教師で放課後学習。
宿題のチェックは、宿題を出す教科で原則として次回の授業中にする。
宿題の内容は、最初は、ノートをそのままもう1回写すでも十分。
宿題を出す教科は、各クラスの時間割表で決めている教科は必ず課す。
1教科10分~20分程度で終了する内容。
宿題の内容は、学力の低い生徒でも必ずできるもの。問題をさせる場合は、授業中にできるようにした問題。
それ以外の教科も出すことも可能。
生徒や保護者にとって、「一人でできる宿題が毎日出される」ことを意識づける。
・4月21日(月)~中間テスト2週間前
基本的には、前週と同様。
宿題を増やす場合は、くれぐれも慎重に。
個別に宿題を選べるといい(簡単コース、標準コース、挑戦コースの宿題、生徒に選択させる)
宿題を家庭でしてくることが困難な生徒は、個別に対応する。
・中間テスト2週間前~テスト終了
別途テスト直前用の計画表を作成する
(ここまでで約2ヶ月)
———————————————–<提案内容例:以上>
他の教師の仕事量が増えないように常に意識しなければなりません。
どのような業務が増えるかを特に説明できるようにしなければなりません。

4.4月7日(月)~11日(金)の指導(1週目の指導)
小学校での実態調査及び生徒への説明をします。
特別活動等を2時間程度利用すればよいでしょう。

<実態調査の内容>———————————–
名前(       )
クラス(   )
番号(   )
小学校の時の1日の平均勉強時間
・やっていない
・1分以上15分未満
・15分以上30分未満
・30分以上60分未満
・60分以上
勉強法を
・知っている
・よく分からない
小学校の得意教科(○印をつける)
・国、算、理、社、体育、図工、音楽、家庭、英語、その他、ない
中学校での1日の目標勉強時間
・1分以上30 分未満
・30分以上60 分未満
・60分以上
———————————-<実態調査の内容:以上>

<次の内容を学年便りや保護者説明会で保護者に説明し、HRで生徒に説明する>

各中学校の実態に応じて追加削除をしてください。
・中学校に入ったら、毎日宿題が出ます。出ない日はありません。
・各クラスの時間割表に、○印がしてあります。これが宿題のある教科です。4月中は、各教科10~15分程度で終了する量です。
・4月14日(月)から本格的に家庭学習指導(宿題指導)を開始します。
・宿題以外に自分でやることがあれば、積極的にやっていきましょう。
・1週間に宿題をやって来ない日が2回以上あれば、金曜日に先生たちを一緒に勉強します。
・〇年〇組の宿題提示例(〇印のある教科は必ずその時間に宿題がでます)
jikannwari
生徒にとっての分かりやすさを最優先しています。
(どの曜日も宿題は2教科、時間割表に宿題を見えるかしているので、忘れる率も少ない)
・学習方法の工夫などについて
<1日の目標勉強時間>
よく言われる勉強時間は、「小学校からの学年数×10分」と言われます。
ですから、
中学1年(小学7年)=10分×7=70分
中学2年(小学8年)=10分×7=80分
中学3年(小学9年)=10分×7=90分
が、一日の勉強時間となります。これは、自分で机に向かう時間です。今まで、これ以上の時間勉強している人やテスト前などは、もっともっと勉強時間を増やしましょう。

<重要な用語などを覚えるのに、一番適した時間帯>
覚えるのに一番適した体の状態は、
・リラックスしていること・血行が良くなっていること
です。
お風呂に入ったあと(入っている途中でも)は、この2つの条件が満たされています。個人差はありますが、通常に覚えた場合と違い、忘れる確率が非常に低くなります。慣れて効果が現れるまでは時間がかかる人もいるとは思いますが、根気よく続けてみてください。

<重要用語などを覚えた直後に、しない方がよいこと>
覚えた直後は、脳に過度な刺激を与えることは好ましくありません。友だちとしゃべって興奮したりすると、せっかく苦労して覚えたものが台無しになってしまうということが多いようです。
覚えた直後は、リラックスする、寝るなどして時間をおいてください。

<重要用語などを覚える時の方法>
・読む(大きな声で、小さな声で、黙読で)
・書く(いらない紙に大きく、必要な紙にまとめながら丁寧に)
・カードを使う(大きなカード、小さなカード、表に問題、裏に答え)
・壁(見えるところ)に貼り付ける
ポイントは、見る、聞く、書く、イメージするという作業をできるだけ多く使って、反復練習することです。友達とゲーム感覚にするのもよいでしょう。自分に合う方法を選んでください。または、「自分はこういう方法があるんだ」というものがあり、それで暗記できているのであれば、それでも良いでしょう。

<覚えてから1日後、平均何%くらい頭に残っているか>
約50%です。10個覚えたら、24時間後には、5個になっています。その翌日にはさらに半分になってしまいます。「エビングハウスの忘却曲線」で有名です。人間というものはよく物事を忘れます。特に、自分の苦手なこと(教科)になるとよけいに忘れやすくなります。復習(覚えた内容のチェック)がいかに大切かがわかります。

<授業の内容などを復習するときの効果的なタイミング>
一番良い復習のタイミングは、やった内容を忘れる直前(やった内容を理解しているうち)です。ということになると、どんどん忘れていく直前、すなわち24時間以内です。中学生の場合だと、その日の夜か、次の日の朝と言うことになります。現実的に次の日の朝は不可能な人が多いので、その習った日の夜です。
その日のうちに復習すると、授業のことを細かく思すこともできるので効果抜群です。人間の記憶というのは不思議なもので、そういうシーン(授業中に感動したとか、笑ったとか、○○さんが言っていたなど)を思い出して覚えると、忘れにくいし、覚えやすいものです。

<勉強とクラブとの両立>
「クラブの時間が忙しくて、勉強する時間がない」と言って、残念ながらクラブをやめてしまう人がいます。経験上、クラブを止めたらその分勉強時間が増えて、素晴らしい効果がでる人は本当に少ないです。クラブをやめて時間を生み出すより、自分の生活を工夫する人の方が、成績は伸びます。
例えば、「家に帰ってきたら、すぐに、夕食を食べ、お風呂に入り、短時間でも復習をして、ふとんに入る」ことです。「テレビを長時間見る」、「友達とメールや電話をする」などだらだらしていると、すぐに時間がたってしまいます。まずは、自分の生活を見直しましょう。

<授業中に眠たくなる場合>
「授業中に眠くなる」場合は、「睡眠」について考えた方がよいでしょう。いろいろな原因はあると思いますが、次のことをまず守ってみてはどうでしょうか?
・「11時頃までに寝て、7時頃までに起きる」生活習慣になるように近づける。
・寝る部屋は、完全に暗くした状態にする(暗すぎると眠れない人は、豆電球程度で我慢する)。明るい部屋だと、「脳」が完全に休まりません。
・寝る直前にたくさん食べすぎない。食べる場合も、消化の良いものにしたり、量を少なくする。食べ物を消化するために血液の栄養分が使われ、脳や体の休息のために栄養分が少なくなります。

中学生の家庭学習ついて真剣に考えた時、学年教師がやるべきこと(1)

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