定期テスト返却時の「1分コメント」で生徒との信頼感を高める

enpitu

目次
1.1分コメントの方法
2.注意点

1.1分コメントの方法

「先生今日テスト返してくれるの?」
テスト終了後、廊下を歩いていたら必ず聞かれることです。
がんばった生徒も頑張らなかった生徒も言ってきます。
「もちろん返しますよ」と伝えると、
「俺めっちゃがんばってん」
「うわ、全然できなかってん。返さんとって〜」
と興奮して答えます。
テスト返却時の生徒のテンションはいつもとは全然違います。
これを生徒の学習意欲の向上につなげるのです。

さらに、会話は続きます。
「今日、何の教科を返してもらいましたか」
「国語、英語。でも、社会は返してくれなかった。めっちゃ、テンション下がった」
と言うのです。
それくらい、早く返して欲しいのです。
気になることなのです。

返却時に、初任者の頃から続けていることがあります。
テスト返却時に、一人一人にコメントをしています。
クラスには、40人近くいますから、一人1分程度になります。
まず、私は教室の隅に座っている状態で、名前を呼びます。
そして、生徒が前に立ったら、コメントをします。
聞くことは決まっています。
点数を見せる前に、
「今回の頑張り度は、10点中何点ですか」
「7点です」
「7点分もがんばったんですね。すごい。何を一番頑張れましたか」
「テスト範囲の問題集をすべてやりきった」
「やったじゃん!」
「3点分がんばれないことがあったの?(本当にそうなのという表情で)」
「勉強を始める時期が遅かった」
「そうか~。でもそうやって振り返られるってすごいことですよ」
と続いていきます。
次に私が答案用紙を広げて、点数を見せます。
「思ったよりも、できた?できなかった?」
「微妙(一番多い答えです)」
「何点くらいあると思いましたか」
「○○点(5~10点くらい上の点数)あると思った」
「この点でも、すごいよ。よし、じゃあ、あと○○点取れるためにやること言いますね。ほら、ここの問題、問題集の△△ページにあった問題です。何回この問題やりましたか」
「1回です」
「そうか、これをできるようにするために、何をしたらいいと思う?」
「(嬉しそうに)、もう1回する!」
「そうですね。他の□□の問題も同じですね。これで6点分ありますね。ほらここ、見てごらん(漢字のミス)」
「うわー、ありえへん。めっちゃあほやん」
「○○さんやったら、ちゃんと書けてるもんね。全体的に、ホンマによく問題集がんばっていますね・・・」
と続きます。
そして最後に、「次のテストの目標点は何点ですか」
と聞きます。
得点を聞いたら、答案用紙に、「次の目標は、○○点」と小さく書きます。
私自身の手帳にも目標点を記入します。
次のテストを返すときには、「今回のテストの目標点は・・・」と続けることができます。
これを、1分ちょっとで話します。
かなりのスピードです。
次の生徒は、聞こえない位置で前に来させておきます。
聞くことは、
・今回の頑張り度
・頑張れたところ、頑張れなかったところ
・次回へ向けての目標点

言うことは、
・弱点、強い部分
・褒める部分

こちらから一方的に話すのではなく、できるだけ生徒が話すように仕向けます。
私は、塾の先生をかなり長い間やっていたので、その視点でアドバイスをしていました。

テスト返却時の子どもたちは、とても素直です。
「神時間」と言ってもいいでしょう。
テストを返却すると、一喜一憂しながら、自分の席に戻ります。
こちらのミスで、最後4人を残して、チャイムが鳴ってしまったときがありました。
生徒は「先生、絶対コメントしてや。昼休みに聞きにくるから」と言っていました。

生徒は全体に向けて間違いやすかったところや注意点などを話すよりも、1対1で入れたことを覚えているのです。
先日の成人式でも、「あのコメント、懐かしい~。また、やってほしい」と言われました。

2.注意点

(1)一人一人コメントしている間、他の生徒がすることを準備する
(2)解答の書き換えなどの不正を防ぐ

この2つはマストです。
(1)については、例えば、次のようにします。
「これをしていたら、間違いなく静かになっている作業」を準備しておきます。
学習指導要領に則する内容で、「パズル的なもの、クイズ的なものを解かせる」、「教科書の基本的な復習内容を写す」などから選択形式にします。
学力の低い生徒でもできるものも準備します。
テスト振り返りシートを準備してもいいですが、テストを返却する直前では効果が薄れます。
また、テスト振り返りシートは、担任教師が、「HR」などを利用して全教科まとめてする場合もあり、やる内容が重なってしまうのです。
また、コメント形式で返却する場合は、事前にその趣旨やルールを丁寧に生徒に伝えなければなりません。
私が決めていたルールは、
・コメントをされていない人は、席に着いて作業をする
これだけです。
守れない生徒がいた場合の対処法は、それぞれの先生の授業ルールに従えばよいでしょう。

(2)については、解答用紙のコピーを取ります。
えっ?と思われるかもしれませんが、生徒には「観点別評価など、公平に正確に丁寧に評価をつけるために、コピーをとっています」
と伝えています。
だから、生徒の机の上は、いつも通り筆記用具もおいています。
コピー用紙が無駄になるのでは?
それもあります。
できるだけそうならないように、両面集約(片面4枚×2面=8人分)の設定にします。
クラスに40人いても、8枚ですみます。
ソーターでまとめてすれば、自動的にやってくれます。
また、見やすくするために、
「文字」「コントラストを2段階上げる」「明るさを1段階下げる」
という設定をします。
「生徒の答案をコピーする」ことについては、管理職に説明しておかなければなりません。
残念ながら、
・返却途中で騒がしくなり、収拾がつかなくなる
・校長先生からの許可がおりない
場合は、中止しなければなりません。

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